ちいちゃんの昔話

散髪 今も同じ

 
身仕度も…  
                                「ひまわり」2000年6月第70号より   
 
 
    梅雨に入りアジサイが咲き始めるこの季節、昼間は夏日、夜は少し肌寒く、部屋の中どことなくしめっぽく感じてしまう。体調も崩し気持ちもどこかしらすっきりしない毎日。うっとうしい~
 
 私は鏡をのぞき、一月に一度の割で散髪をしていたつもりが、髪の毛は耳に三センチ程かぶさって、いつしか二ヶ月もほったらかし、忘れていた事にきづく。こんな時期だからこそ、髪を短くすっきり整え、気持ちをさっぱりさせようと、散髪をしてもらうことにした。
 
 私は「思いきって短く切ってください。うっとうしくて・・・遠慮しないで切って切って、大丈夫ですから」とお願いする。理容師の方も「この度はよくのびましたね・・・」と合ずちを打つ。私が余りにも「短く、短く」というもので、(そんなに短く?)ためらわれているのが見える。ハサミを入れてくださる。30分も経つと、頭はさっぱりときれいに切り整えられた。
 
 鏡に映る自分の顔、髪を切る前のうっとうしい感じと違い、切った後はさわやかな顔になりまるで違う。人は少し髪を切るだけでも、顔も気持ちも見違えるほど変わるのだと改めて知る。
 
 その日の午後、早速、私は春物を夏物の装いに変えてリフレッシュすることにした。わずかばかしの身の回りの変化、気持ちも顔つきも変えてしまう。その時の気持ちは、好きではない外出もショッピングにでも行こうと思う、遊びに行きたいという気持ちにかわる。不思議・・・
 
 周りの人たちも「元気そう、さっぱりとしていいわ・・・どこか出かけてみたら・・・」と矢継ぎ早に言う。しかし、勧められたからと言って、用事もないのに外出をすることもない。かといって、気持ち、がよいときは、ちょっと、そこまで出てみようという気持ちになる。
 
 障害者だから、段差があるから、着る服が・・・トイレが大変だからと(現実には出かけていこうとすれば、様々なことをクリアーをしていかなければならず、大変なのです。)理由をつけて外出を拒んだ時期があった。その様な時は気持ちが先に委縮して、出れる状況であっても出てゆかない。お尻にどっかり重石がついたように動こうともしない。(その様な自分自身もイヤであった)
 
 
 重度障害者が出かけるとなれば、人の手、時間と必要以上に手間がかかる。しかし、自分の気持ちも変わり、周りの人も変わり、状況を変えることにより、大いに外出も楽しくなる。
 そして、外出する、外出しないは関係なく、家の中にいるだけでも身繕いに気をつけ、気分を変え、目線を変えてリフレッシュをさせていこうと、改めて、今日の散髪で再認
 

今も同じ
 
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小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

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