ちいちゃんの昔話

生き抜く力

1996.5.2
 
五年振りに中央病院に足を踏み入れ、自分の要件を済ませて時計を見ると、
 
予約タクシーの待ち時間までに40分程余ってしまった。
 
そこで、私は懐かしい五階病棟によることにして、エレベーターの前に行き、
 
周りの方にボタンを押していただき乗る。
 
着くと天井が低く、暗く、産婦人科病棟なのに陰気な雰囲気、
 
病室ひとつずつ見て廻り、手術を終えた時入った部屋、大部屋、
 
待合室が少しも変わりなく、少し住宅が増えているものの、五年前と同じだ。
 
私が病室で辛く悲しい思いで外を眺めた景色があり、
 
言葉に言い表せない熱い感情が襲ってきた。
 
今ひとりになって、まぎれもなく生きている。
 
入院時、主人の為に一日も早く退院しなければと焦るものの、
 
考えてもお金もさしてない、相談する人も無い、退院するための手だても思いつかない。
 
来る日も来る日も外の景色を眺めて泣きたい気持で一杯の状況であった。
 
外にトラック(赤帽)が走っているのを見て、
 
私を荷物として家につれて帰って欲しいと真剣に考えた。
 
しかし、それを実行するには電話をかけなければならず、それすら出来ぬ我が身に腹が立つ・・・
 
 
様々有ったけど、今は全部忘れた。・・・
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小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

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