ちいちゃんの昔話

いくども振り返り

大きな節目を振り返る
 
何年ぶりかスーパーに行った。
車椅子の自分を誰かに見られるのではないか?
主人が亡くなって間のないこの時期に、外出して、主人に悪いようでもあり、複雑な気持ちの中であった。
 
店内を見て回っていた時、化粧品売り場を通りかかって、目に飛び込んできた物は、マニキュアであった。鮮やかな色とりどりマニキュア。
 
以前、若くて元気であった頃、私自身もマニュキアも、口紅も塗り、化粧もしていた。
 
なのに・・・この数年間という物は、色の無い生活、色に例えれば、それは「灰色」
この大きなスーパーに、私が車椅子で居たことは、(まるで浦島太郎のよう)
 
私は、複雑な想いで、マニキュアを眺めていたら、彼女が「綺麗よ、買ったら。」と促してくれた。「うん・・・。」言ったものの、晴れがましい、いまさら、様々の思いで手が出ない。
 
彼女「この色は・・・、良い色・・」とマニキュアを指先に塗ってくれた。そこでやっと、私にマニキュアを買う勇気が出て来て、1本買うことにする。ついでに、「口紅も買う。」という事になり、マニキュア、口紅と買い、店員さんに包装をしていただくために待っている僅かな間に、急に大きな悲しみと、複雑想いとで胸に熱いものが込み上げてきた。(なぜ、今、主人の居ないこの時に・・・もっと早い時期に買って、主人に見せてあげればよかったのに・・・)その様に思った瞬間に涙が顔を伝っていた。
 
 
彼女もそれを見て、何かしら考えたのでしょう。その後、外出する度、心を癒すだろうレコード店でCDを買ったり、安い洋服ではあるが、私の着る服を少しずつ買い揃えていき、1年程かけて、春夏秋冬の必要な服は揃った。
 
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小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

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