ちいちゃんの昔話

お金だけが目的ではなく社会参加を

「すべての障害者を納税者にしたい」
-9月は障害者雇用促進月間です-

 標題の言葉「すべての障害者を納税者にしたい」は、アメリカの故ジョンF.ケネディ大統領の、1962年2月の一般教書演説のなかの言葉です。
働きたいと願う障害のある人の数は年々増えていますが、実際の雇用の現場は、今どうなっているのでしょうか?当事者の声を交え紹介します。

 **労働局がまとめた、2002年6月1日現在の身体障害者、知的障害者の雇用状況は、法定雇用率(1.8%)を下回る1.66%でした。これは、常用労働者数が56人以上の県内の324の企業を対象にしたもので、達成企業は全体の45.1%です。この数字は、近年の不況を反映してか、過去10年で最低です。そして、今、障害のある人にとってはなおさら、リストラが大きく影を落としています。

 効率優先の経済原則の前では、障害のある人が働くことさえ視野に入っていない現実がありませんか?働きたい、仕事に対する報酬の大小ではなく社会参加したい、と思うのは、障害のあるなしに関わらず同じはずです。

 当事者の一人であり、「障害者の就労を考える***」の会長を務められている***さんに「はたらく」ということを語っていただきました。

 「障害があっても働くのは当然と考えていた。しかし、障害の進行に伴い、“かっこよく”仕事を辞めたつもりだったが、現実は社会・仕事から閉ざされ、自分自身を追い込み、あきらめかけていた。

そんなもやもやした気持ちのなか、3年程前、ペンタッチ式のモバイルを購入。インターネットの向こうに仕事につながる何かが見えてきた。仕事のチャンスは、突然訪れた。できるかどうか自信はなかったが、知り合いに声をかけたところ、みんながやりたいと言った。

“お金だけが目的ではなく社会参加を。”全員の思いが一致し、会を立ち上げた。

毎日通ってこられる場所があることは、それぞれの自信につながる。最新の情報に触れられるテープおこしの仕事は、達成感、自尊心の育ちにつながる。

パソコンは、健常者と同じ舞台で闘うことのできる道具である。一個人の声は届きにくい。そのためにも、たとえば中心市街地の空き店舗を利用した、多くの人が集えるコミュニティ(仕事と交流の場)をつくることが、今の目標である。

そして“アジサイのように、小さな、いろんな色(個性)が集まった大輪を咲かせたい。

”障害のあることを卑下することなく、1日1日しっかり生きていきたい。どうせ生きるなら精一杯、できるだけ笑顔で過ごしていたい。“自分にちょうどいい”では取り残される。

いつも少し自分に負荷をかけて。そばにそっと居てくれる人があれば、安心できる人がいれば、だれでもそれだけで一歩が踏み出せる。」

 今、**さんは、小規模作業所「夢**」で仲間達と、日々テープおこし、名刺製作などの仕事を忙しく、楽しくされています。

 すべての人が「はたらく権利」を行使できる社会をつくるため、システムはもちろん、私たちの意識改革も迫られています。
☆障害のある人の雇用に関しては、**障害者職業センターで職業相談、職業評価、職業準備訓練が行われています。ジョブコーチの派遣等雇用する側への支援もあります。

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小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

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