ちいちゃんの昔話

えがおでいます。

最後の書類作成である。

朝から、ちいちゃんと保証人は何枚もの書類に署名と判押しばかり、

判子をおしているうちに、オモイ・・・なんだかわからない重さを感じる。

ちいちゃんは、ペンを握る力もないし、
ここ何年もペンなどもてなく、持つ機会もなかった。
そのことにもなれて、この頃、当たり前のようになりつつあった。

書類に姿勢保持を取りながら署名をしているときに、
ふっと気がついたことが・・・。

書類には本人が署名、捺印となっている。(当たり前なのだが)
今日は何とか名前を書いたが・・・、

まったくかけなかったら・・。

銀行、不動産など交渉ごとから、重度障害者はずされていくのではないか?。
その人の実績などは、重度障害者ということだけで、
どこかに消えてしまうのか?

障害者社会参加、自立というけれども、
署名からつまずくのではと、そのことが頭をよぎった。

そのようなは課題が目の前に大きな壁となってはだかるとは思っても見なかった。

字がかけないということは・・・
窓口にいけないということは・・・

当たり前とは、何なんだろう!!

皆さんのおかげ

ちいちゃんは重い荷を背負うことにはなったが、
でも、ベッドに入り一日の反省をするとともに、感謝の念が沸く。

なにも持ち合わせてない私。
寝たきり状態の私。
賢くない私。
わがままな私。

皆さんが助けてくださって生きる。
皆さんが後押ししてくださる。

いつも、いつも、誰かが助けてくださる。

保証人の彼、判を押し終えて、「なんなんだろうなぁ~」
「・・・・」
彼に「仕事のときは、泣くなよ」
「・・・・」

大きな責任を背負い、もうひとがんばり

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

あらためて、ありがとうという。
しかし、言葉で言っただけでは軽いように感じる。

ことばだけでもなく、
なんなんだろう・・・。

だから、なお、心からありがとう。

しっかり生きます。
えがおでいます。

目頭に熱いものが・・・

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小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

  1. トラブルへの配慮

  2. 計画が延びる・・・

  3. 負担を少なく

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